とちおとめは、いちごの中でもトップクラスに知名度が高く、人気がとても高い品種です。
糖度が高くて適度な酸味が美味しいだけでなく、色や形が整っていて美しいことから贈答品としてもよく選ばれています。
今回はとちおとめが贈答用のギフトとしておすすめな理由を、いちごソムリエの宮崎大輔さんに教えていただきました。
贈答用におすすめのとちおとめもランキング形式で紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
宮崎 大輔
いちごソムリエ
株式会社イチゴテック 代表取締役
信州大学農学部でイチゴの研究を始め、大学院でイチゴの研究で修士号を取得。2013年から農業指導を始め、2019年にイチゴに特化した事業を行う(株)イチゴテックを設立
いちごのとちおとめの特徴は?
とちおとめは、日本を代表する有名ないちごの品種の1つです。
ここでは、とちおとめの特徴をご紹介します。
とちおとめの産地と誕生した経緯
とちおとめの産地は、栃木県です。
栃木県のいちごの生産が盛んな理由として、冬の日照時間が長く、栄養豊富な土地と綺麗な水に恵まれていることが挙げられます。
栃木県はいちご生産量が全国1位であり、とちおとめの生産量においては50年以上連続で日本一です。
栃木県の「いちご」は生産量・販売金額とも全国1位を誇り、本県が開発した「とちおとめ」は、現在、全国のいちご作付面積の3割を占めています。
栃木県/農業試験場いちご研究所
しかし、とちおとめが誕生するまで、栃木県の主流のいちごの品種は「女峰」でした。
女峰は形も味も良い品種ですが、実が少し小さめで酸味がやや強いところが課題となっていました。
そこで、女峰よりも果実が大きく、食味の良い品種がほしいという願いから品種改良がおこなわれ、誕生したのが「とちおとめ」です。
とちおとめは、形がきれいで多く収穫できる「久留米49号」と実が大きく甘い「とよのか」を交配して作られました。
現在は品種としての種苗登録の期限は切れているため、栃木県だけでなく全国でとちおとめの栽培が可能となっています。
誰でもどこでも栽培が可能になったことにより、とちおとめはいちごの品種別作付面積の24%を占め、シェアナンバー1の品種です。
2020年産の促成栽培イチゴの品種別作付面積を調べ、最多の「とちおとめ」が24%を占めた。同研究所は「栽培しやすく加工の需要もある。育成者権が切れていることもあり広がっているのではないか」とみる。
日本農業新聞
ブランドいちごの中でとちおとめの品種の立ち位置は?
とちおとめは、日本で最も多く生産されているいちごの品種です。
過去には「いちご界の東の横綱」とも呼ばれていた時代があり、ブランドいちごの中でも知名度が最も高い品種といっても過言ではないでしょう。
とちおとめの特徴は、以下の5つです。
- 果汁が多く、しっかりとした甘さと適度な酸味がある
- 粒は大きくなりやすい
- 整った円錐形をしている
- 冬に葉が小さくなりやすいため、育てるのが難しい
- 鶏冠果(けいかんか)が多い
鶏冠果とは、形がゴツゴツしていて鶏の冠に見える大きないちごのことです。
以下の写真のような形をしたいちごを鶏冠果と呼びます。
いちごは大粒になると変な形になりやすいです。
とくに、とちおとめは大粒の実が多くできる品種であることから、鶏冠果もできやすいです。
鶏冠果のいちごはたしかに見た目はいびつですが、上の写真を見てわかるように、先端部分がたくさんあります。
いちごは先端のほうが甘いという特徴があるため、鶏冠果は甘くて味がしっかりのっており、深く濃厚な味わいが楽しめます。
栃木県のスカイベリーとの違いは?
とちおとめの後継品種として作られたのが「スカイベリー」といういちごの品種です。
スカイベリーは、実が大きく見た目が美しい「00-24-1」と、病気に対する抵抗性が強く味も美味しい「栃木20号」をかけ合わせて作られた品種です。
2014年に品種登録され、栃木県内の指定されたいちご農園でしか販売が許可されていません。
とちおとめと比べて約2.5倍ほど大きく、綺麗な円錐形で果皮にツヤがあるのが特徴です。
ただ、スカイベリーはとちおとめの後継品種として期待されていたものの、農家や消費者の間でほとんど普及しませんでした。
普及しなかった理由として、スカイベリーがとちおとめの味や収穫量、ブランドイメージを超えられなかったことが挙げられます。
栃木県のとちあいかとの違いは?
そして、スカイベリーに続いて、新しいいちごの品種「とちあいか」が誕生しました。
とちあいかは、「09-48-5」と「栃木32号」をかけ合わせて作られ、2018年に品種登録出願されています。
とちおとめと同じくらい糖度があり赤くて光沢がある美しいいちごです。
しかし、酸味がやや低いことから、とちおとめよりも甘く感じるでしょう。
また、半分にカットすると、断面がハート型に見えるのもとちあいかの特徴の1つです。
栃木県の農協は、今後のメインとなるいちごの品種を「とちおとめ」から「とちあいか」にシフトすることを表明しました。
そのため、今後はとちあいかが栃木県の主力いちごになる予定です。
ただし、とちあいかは栃木県のみの限定栽培となっています。
とちあいかを味わってみたい方は、栃木県でいちご狩りをするか、ネットで取り寄せることをおすすめします。
ギフト(贈答品)のとちおとめの魅力
とちおとめは、粒が大きくて甘いだけでなく見た目も光沢があって美しいため、贈り物としてもとても人気があるいちごです。
ここでは、ギフト(贈答品)としてのとちおとめの魅力と注意点をご紹介します。
贈り物のとちおとめの魅力と注意点
贈り物としてのとちおとめの魅力は、なんといってもその知名度です。
贈り物を受け取る人が必ず知っているいちごの品種であり、知らない品種をもらうよりも喜ばれるでしょう。
さらに、贈り物のとちおとめはスーパーで売られているものよりも大きくて甘く、形が整っていて特別に美味しいものが選ばれています。
ギフトを受け取った人も、スーパーで買って食べるとちおとめと比較しやすいことから、「いつも食べているとちおとめよりも美味しい!」と感じてくれるはずです。
ただし、とちおとめの収穫時期は12月〜5月であるため、6月〜11月は売っていない点に注意してください。
また、とちおとめの実は12月〜2月は大粒で甘いですが、3月〜5月は小粒で甘みが弱い場合があります。
したがって、とちおとめを贈答品として考えている場合は、12月〜2月に贈るのがおすすめです。
お歳暮のとちおとめの魅力と注意点
とちおとめは、お歳暮にぴったりの贈答品です。
なぜなら、とちおとめの最も甘くて美味しい時期とお歳暮の時期が被っているからです。
ただし、農園によってはまだいちごを収穫していなかったり、クリスマス用としての出荷を優先したりしている農園があります。
また、贈答用のいちごを作っていない農園もある点に注意しましょう。
いちごソムリエおすすめの贈答品とちおとめランキング3選
ここからはいちごソムリエがおすすめする贈答用のとちおとめを紹介します。
3位 2品種食べ比べ 2,980円
スカイベリーととちおとめの食べ比べセットです。それぞれ1パックずつなので少人数で食べる方に贈るのがおすすめです。
2位 4パック 4,680円
とちおとめが4パックも入った商品です。大人数の家族や会社、イベント向けのプレゼントにおすすめです!
1位 2品種 食べ比べ 4,680円
とちおとめだけでなく、スカイベリーもセットになっています。それぞれ2パックずつも入っているので、大人数の家族やイベント向けのプレゼントにおすすめ。
最後に
この記事では、「とちおとめが贈答用のギフトにおすすめな理由」をご紹介しました。
とちおとめは、日本で最も知名度のある人気の高いいちごの品種です。
とくに、ギフト(贈答用)のとちおとめは色や形が美しく整ったものを選んであるため、受け取る人も喜んでくれるでしょう。
ギフトとしてとちおとめを贈りたいと考えている方は、ぜひいちごソムリエのおすすめランキングを参考にしてください。