冬から春にかけてはいちごが旬の時期ですね。
甘酸っぱいいちごが好きな方や、あま〜いいちごが好きな方など、人それぞれ好みは異なります。
そんな中でも「できるだけ甘いいちごを食べたい!」と思っている方も多いのではないでしょうか。
実を言うと、いちごは「糖度が高い=いちごの甘みが強い」というものではないんです!
そこで今回は、いちごソムリエの宮崎さんに聞いた、いちごの品種別の甘さランキングを紹介します。
ぜひ、自分好みのいちごの種類を見つけてみてくださいね!
宮崎 大輔
いちごソムリエ
株式会社イチゴテック 代表取締役
信州大学農学部でイチゴの研究を始め、大学院でイチゴの研究で修士号を取得。2013年から農業指導を始め、2019年にイチゴに特化した事業を行う(株)イチゴテックを設立
いちごの糖度とは何か?
そもそも、いちごの甘さって何をもとに算出されているか知っていますか?
いちごには「糖度」と言われる甘さを示す指標があります。
これは糖が100gの中に、どの程度の量含まれているのかを示す指標となっています。
一般的ないちごの糖度は、Brix値(屈折率糖度)を調べた数値です。
Brix値とは、ショ糖が溶けた溶液の光の屈折率を調べて、糖度を測ることができます。
ただ厳密に言うと、糖度=Brix値ではないため、専門家などがいちごの糖度を説明するときは、「Brix値でいうと糖度は〜〜」というように表します。
糖度計は、市販のサイトでも販売されているので、自宅で計測することも可能です。
いちごの平均糖度は?他の野菜や果物と比較したいちごの平均糖度
いちごの平均糖度は10度くらいです。
いちごの糖度は、収穫される季節によっても異なります。
時期ごとの糖度はおおよそ下記のようなイメージ。
冬のいちご: 糖度12〜15度
春のいちご: 糖度8〜11度
夏から秋にかけてのいちご: 糖度6〜11度
また、いちごは果実の部分によっても甘さが異なります。
いちごはヘタに近い方が甘さが弱く、先端の方が甘さが強くなっていきます。
例えば、果実全体が糖度10度だった場合、ヘタの近くは8度、先端は12度くらいです。
完熟したいちごの方が甘いのですが、輸送中に傷が付きやすい為、農園では完熟する前に収穫してしまうことが多いです。
スーパーでいちごの糖度の目安が載っていることもありますが、実測値ではないため適当な場合もあります。
他のフルーツや野菜の平均糖度を比較すると、下記のイメージです。
・いちご:10度
・温州みかん:10〜14度
・メロン:12〜18度
・バナナ:20〜21度
・フルーツトマト:8度〜10度
・通常のトマト:4〜6度
・さつまいも:8〜12度
いちごの糖度を選んでも人間の体感の甘さと違う?糖度の注意点とは?
ここまで、糖度について説明してきましたが、糖度と人間が感じる甘さは同じではありません。
いちごの糖度に関連した注意点を2つ紹介します。
①糖度と酸度の関係
いちごには、糖以外に酸も含まれていますが、糖度と酸度の関係も重要です。
酸の量によって、人間の甘さの感じやすさが変わってきます。
同じ糖度のいちごでも、酸の量が違うと人間が感じる甘さには差が出ます。
例えば、「章姫(あきひめ)」という品種は酸がとても少ないので、甘さを強く感じやすいです。
逆に「女峰(にょほう)」という品種は酸が多いので、甘さを感じにくくなります。
②温度の関係
甘さの度合いは、食べ物の温度も重要です。
冷たいものだと甘さが感じにくく、暖かいと甘さが感じやすくなっています。
例えば、アイスクリームが冷たいときは甘さを感じにくいですが、溶けたあとの方が甘さを強く感じます。
なので、いちごも冷蔵庫から出してすぐ食べるよりも、室温に戻してから食べたほうが甘く感じるのでおすすめです。
いちご品種の糖度・甘さランキング15選
ここからは、いちごの品種別の甘さランキングを紹介していきます!
いちごソムリエ宮崎さんのおすすめポイントも合わせて見てみてください。
【15位】古都華(ことか) 平均糖度:13〜15度
糖度・酸度ともに高く芳醇な甘さ。未熟なものが少ないです。
古都華は、奈良県限定で栽培されているオリジナル品種となっています。
果皮は鮮やかなルビー色でツヤがあります。
【14位】いちごさん 平均糖度:13〜14度
優しい甘さ。未熟なものが少ないです。
2018年に登録され、栽培・出荷は佐賀県のみとなっています。
さがほのかに次ぐ、次世代ブランドいちごとして人気の品種です。
【13位】とちおとめ 平均糖度:10度
甘い。特に冬が甘い。春は甘さが弱くなりやすいです。
スーパーのとちおとめは当たり外れが大きく、未熟なものも多いです。
【12位】ゆめのか
甘みもありますが、酸味もあります。
愛知県以外の生産量が少なめで、一般的には愛知県での生産量が多いです。
【11位】さくらももいちご 平均糖度:先端部16度/中部11〜12度/根元10度
粒が大きく、甘いです。未熟なものが比較的少ないのが特徴です。
徳島県佐那河内村のみで栽培されています。
かなり大粒で、大きいものだと1粒80gほどもあります!
【10位】信大BS8-9 平均糖度:10度
夏秋時期に採れるいちごの中ではトップクラスに甘いです。
冬はほとんど生産されていません。
夏秋は生産されているが、別の名前で販売されています。
【9位】なつみずき 平均糖度:15〜16度
夏秋時期に採れるいちごの中ではトップクラスに甘いです。
冬は生産されていません。
株式会社ホーブの品種。品種名は「ペチカほのか」と言います。
夏秋に主にケーキなどに使われています。
品揃えが豊富なスーパーや百貨店で販売されています。
【8位】越後姫 平均糖度:12〜15度
酸味が少なくて甘いです。
新潟県生まれの品種です。
日本中どこでも栽培できますが、主な産地は新潟県です。
実が柔らかくてジューシーなのが特徴です。
【7位】やよいひめ 平均糖度:12度
やよいひめは春を過ぎても甘さが落ちにくいです。
(通常いちごは、春になると甘さが落ちる為)
甘さと酸っぱさのバランスがとれた味が特徴です。
【6位】桃薫 平均糖度:8〜12度
糖度はそこまで高くありません。
冬に栽培が成功すると、すごく甘くなります。
いちごではないようなココナッツやモモのような香りです。
味や香りが独特で、初めて食べると感動します
。
味の当たり外れが大きいことがあります。
【5位】かおり野 平均糖度:13〜14度
酸味が弱いので甘さを感じやすいです。
糖度が高い訳ではないですが、甘みを感じます。
【4位】きらぴ香 平均糖度:10度
紅ほっぺは甘酸っぱいですが、きらぴ香は紅ほっぺよりも酸味が弱めです。
静岡県の品種で、紅ほっぺの後継品種とされています。
【3位】おおきみ 平均糖度:15度
酸味がとても弱いので、甘さを強く感じます。
九州農研で開発された品種です。
粒が大きめで、生産量が少なく、希少性が高いのが特徴です。
【2位】章姫(あきひめ) 平均糖度:9〜10度
甘さが強く酸味が弱い、観光農園で人気です。
皮が柔らかいため、輸送にはあまり向きません。
【1位】あまりん 平均糖度:18〜20度
砂糖を食べているくらい甘いのが特徴です。
正直、練乳よりも甘いと思います。
埼玉県限定で栽培され、大粒なのが特徴です。
最後に
いちごの品種別のランキングを紹介してきましたが、気になったいちごは見つかったでしょうか?
いちご一つ取っても、甘みがずば抜けて強いものや、酸味も甘みも強いもの、酸味が強いものと個性豊かですね。
複数のいちごを食べ比べをしてみると、それぞれのいちごの違いが分かって面白いかもしれません。
いちごを選ぶときの参考としてにしていただけると嬉しいです!